あんなモノ症候群

考えたことを書き出すところです。

マンガは高いか。

漫画は漫画家が何ヶ月も血反吐を吐いて考えたことを500円ぐらいで買えるので安いという意見を見ました。わからなくもない。作者視点で考えると何ヶ月もかけて作ったものが500円かそこらで売られて、実質5%とかで入るお金は一冊25円くらい?世知辛いっ!だけど、同時にやっぱりこの理論でだから漫画は安いよねってのは支持できないなぁとも思ってしまいます。

もちろんお金は払うべきで、お金を払うべきものをお金を払わずに手に入れられるようにしてあまつさえお金を得ている人がいるというのはどうかなと思うのだけど、本人がどれだけ頑張ったかというのはお客さんとしては関係ないのだろうなという気持ちにもなるわけです。要するにお金を払う対象はコンテンツ自体の魅力とか、体験の価値になるのかなと思います。体験っていうのは例えば人と感想を共有するとかね。でも、漫画ってこの情報スピードが早い時代の体験提供に向いてないな気がします。

例えばアニメは週ごとにネットで話題の共有可能、映画も公開されている期間というものが存在し、その時期にネットに感想を書き込んだりできます。それに対して漫画はそもそも雑誌と単行本のスピードがずれており、同じ漫画を読んでいる人でさえもネタバレしていいタイミングにかなりズレがあって、体験の共有にたいして構造的な欠陥を抱えているのかなと。

そんななかでネットのコミュニティというバックグラウンドがない漫画は作者の頑張りという部分をおいておくと、コンテンツの魅力のみで勝負しなければいけない。その上でライバルはガンガン増える。無料で共有しやすいネットコミックや、スマホで読みやすい4コマなど体験の共有ができるやつらが新しい漫画としてやってくる。

正直に言うと、このコンテンツと情報が過多の時代に500円が安いと言えるコンテンツを生み出すのは大変コスパが悪いと思う。何ヶ月も、血反吐を吐き、数百ページを書き、そして無数の敵と戦わなくてはいけない。漫画に払うコストが高すぎる。割に合わない。でも、それでも漫画家は漫画を描くのです。なぜなら自分が描いた漫画を買ってもらえる喜びはプライスレスだから!!知らんけど。
というわけで、みんな面白いと思った漫画はお金を払って買おうね?お兄さんとの約束だぞ!

ところでお兄さん結構頑張ってこれ書いたんだけど、一文字一円くらいにならないかな?ならない??